夫婦の話し合いがまとまらなければ裁判所を介して以下の手続きを経ることになります。
家庭裁判所で離婚調停の申し立てをする場合、次のものを用意してください。
※印紙・切手は裁判所内で購入できることが多いです。
詳しくは裁判所のホームページをご確認ください。 >> 夫婦関係調整調停(離婚)
これらを用意のうえ、夫婦関係調停申立書をもらい、必要事項を記入して提出してください。
実際に調停が始まると、陳述書を提出しなければなりません。
あらかじめ、申し立て手続き時に持参して調停委員などに目を通してもらっておくと良いでしょう。もちろん調停が始まってから提出しても構いません。
夫婦関係事件調停申立書のサンプル書式はこちら >> 夫婦関係事件調停申立書(PDF)
申し立て後、約1ヶ月から1ヶ月半ほどして第1回目の調停期日が決定され、調停期日呼び出し状がこちらと相手側にそれぞれ送付されます。 もし、指定された日時にどうしても出頭できない場合は、期日変更申請書を提出します。
呼び出し日に家庭裁判所へ行き、妻とは別の部屋に待機する事となります。
家庭裁判所から民間委託された調停担当者(男女1名ずつ)がそれぞれの主張を聴き、仲介役となって調停を進行していきます。
※調停の段階で弁護士を立てる必要はありませんが、もし、相手が弁護士を立ててきた場合は、こちらも弁護士に依頼する方が無難でしょう。
1回の調停で終わる事はほとんどないので、その調停の席で次の調停期日を決めます。だいたい、1ヶ月に1回のペースで調停が開催されます。
相手側がこちらの主張を全面的に受け入れるか、双方がそれぞれ多少の妥協をして調停を受け入れれば調停成立となり、慰謝料の金額などを含めた離婚の条件が調停調書に記載されます。
しかし、双方の主張に隔たりがあって調停での離婚成立が望めない状況となると、家庭裁判所は不調という裁定を下します。
おおむね調停は3~5回で終わります。まれに1回で終わることもありますが、1年以上にわたって調停を続けるケースも時々見受けられます。
滅多にありませんが、調停が不調に終わった際、家庭裁判所が離婚を成立させたほうが夫婦双方の利益になると判断したときは、離婚審判をする場合もあります。
なお、離婚審判の手数料は、印紙と切手などにかかる2,000円ほどです。
調停で双方が合意にいたらなければ、多くの場合、訴訟を起こして離婚裁判へ進むことになりますが、法律知識を必要とするため、弁護士へ依頼したほうが賢明であると思います。
なお、弁護士に依頼した場合、慰謝料の金額などについては弁護士のアドバイスのもとで決めることになるでしょうが、それを無視して請求金額を吊り上げるのは考えものです。
なぜなら、訴状に貼る印紙の額は請求する金額に比例して増えるからで、たとえば300万円の請求金額では印紙代は22,600円で、500万円の請求なら32,600円となり、さらに1,000万円の請求となると57,600円かかります。
仮に、相手に1,000万円の慰謝料を請求した場合でも、それはあくまで請求金額であって、最終的には裁判所の判決で慰謝料の金額が決まることになります。
したがって、むやみに請求金額を高くすると、結果的に受け取れる慰謝料の額に対して訴状に貼った印紙代が高くついてしまうことになりますので、弁護士のアドバイスを良く聞いてください。
家庭裁判所で調停に入る際、不調に終わることが予想されれば(相手が不貞行為を一切認めていない場合など)、相手側の不貞行為を主張しますが調停の段階では不貞の証拠を一切提出しないようにします。
こちらが証拠を出さなければ相手側は自分の不貞行為を認めない場合が多く、最後の段階で決定的な不貞の証拠を突きつけることによって、相手側のそれまでの主張がウソであることが露見して裁判所の心証が著しく悪くなり、こちら側の主張が全面的に認められる可能性が高くなります。